東十両12枚目豪風(39=尾車)が常幸龍を押し出し、初白星を挙げ、1勝3敗とした。「落ち着いていたというより、必死でした。今日みたいな攻める相撲をしないとね」。

この日朝に稀勢の里が引退を発表した。「朝からヘビーなニュースでしたね」とこぼした。初土俵こそ稀勢の里が02年春、自分が同年夏と1場所ずれたが「向こうが中卒で3月、自分が大学出て5月だけど、同期みたいなもの。教習所も一緒だったし」という。対戦成績は5勝21敗だった。力士としての印象を「受けが強かった。簡単に身につくもんじゃない。稽古を重ねて攻めを強くなってきてね」と語った。

同じ時代を過ごしただけに、思い入れは強い。「日本人横綱に最も近いのは稀勢の里、そうずっと言われ続けてそうなって。つらかったんじゃないかな、本人もご両親も。勝っても負けても騒がれる。生きた心地がしなかったんじゃないか。そういうのも背負ってこその横綱というところを見せてくれた」。今後について「これからの方が長いけど、面倒見もいいし、いい指導者になるんじゃないかな」と期待した。