最高位関脇の十両豪風(39=尾車)が23日、都内のホテルで引退会見に臨んだ。9日目に8敗目を喫し、負け越しが決まって決断。「ここ1、2年は豪風らしい相撲が取れなくなった」。今後は年寄「押尾川」として尾車部屋付きの親方として後進の指導に当たる。約16年の大相撲人生の中で熱く語ったのは、故郷の秋田への思い。県勢唯一の関取として奮闘した。「勝っても負けても秋田の人は温かい声援を送ってくれた」と感謝した。断髪式は来年2月1日、国技館で行う予定。

身長172センチと小兵ながら、学生出身として史上最多の幕内出場1257回。14年秋場所には、35歳2カ月の戦後最年長で新関脇に昇進するなど、数々の記録を打ち立ててきた。師匠の尾車親方(元大関琴風)は「豪風が頑張ったから嘉風や、今の若手が続いている。いい弟子に巡り会えた」と話した。

14年秋場所には、35歳2カ月の戦後最年長で新関脇に昇進。今場所は9日目に8敗目(1勝)を喫し、負け越しが決定していた。

◆豪風旭(たけかぜ・あきら)本名・成田旭。1979年(昭54)6月21日生まれ、秋田県北秋田市出身。鷹巣小1年から相撲を始める。昨年夏の甲子園で準優勝した秋田・金足農高を経て、中大4年時に学生横綱。02年夏場所に幕下15枚目格付け出しで初土俵。得意技は突き押し。172センチ、152キロ。通算687勝746敗46休。