小結御嶽海(26=出羽海)が“ぶっつけ本番”の初日、横綱戦で白星を手にした。鶴竜と激しく土俵を動き回る展開になったが、うまく体をずらして背後を取って、送り出した。

「集中して相撲がとれている」

初場所6日目の妙義龍戦で痛めた左膝周辺の回復が長引き、今場所前は大事をとって、出稽古をせず、関取と相撲をとらなかった。

「ぶつかり稽古で押しているのと(相撲をとって)攻防があるのでは恐怖感が違う」。不安を乗り越えた。

世代交代の波が押し寄せる角界で、若手の1番手という自負がある。初場所も7日目から4日間の休場がありながら、3横綱1大関、優勝した玉鷲を撃破して勝ち越し、殊勲賞を獲得。三役在籍を13場所連続に伸ばした。

出稽古などで強さを見せず、本場所で真価を発揮する“場所相撲”を批判的にとらえる向きもあるが、裏を返せば、プロは勝ってなんぼの世界-。この日は痛めた左膝周辺にテーピング等を施さず、素足で土俵に上がった。

「ここをケガしてるんです、というか。アピールじゃないけど、そういうことしたくないんで」

己の流儀、美学を貫き、対横綱の連勝は初場所初日の稀勢の里戦を皮切りに「4」に伸びた。関脇以下の力士では、歴代5位タイ。「立ち合いがダメ、頭を下げすぎ、腰が高い」とこの日の相撲に不満をこぼした。

「いつものように勢いに乗ってとはいかない。多分毎日、修正が必要になる。慎重にいかないとね」。その先にある、近い将来の大関とりへ。万全でなくとも、結果を残すつもりだ。