横綱白鵬(34=宮城野)が、大関とりの関脇貴景勝(22=千賀ノ浦)を破り、全勝を守った。1月の初場所では、14日目に休場する直前の13日目に対戦。敗れて優勝争いのトップから引きずり下ろされた因縁の相手だった。対戦前まで貴景勝は2敗。負ければ1差に詰まり、優勝争いが混戦となるところ、横綱の威厳を示すと同時に単独トップを守った。

場所前の今月5日には、二所ノ関一門の連合稽古に、一門外から参加した。真っ先に貴景勝を指名すると、最初の一番こそ押し出されたが、その後は17連勝。貴景勝を計17勝1敗と圧倒した。貴景勝は、連合稽古などで力を出し切っていないともいわれるが、この日の朝稽古で白鵬は「出していたと思う。それを上回った」と、自信にしていた様子だった。同時に、相撲界を引っ張っていく力士の1人であることを認め、今後の本人の努力次第で「違う景色が見えてくる」と、番付を上げていく可能性が十分あると語っていた。

先場所は11日目に御嶽海、12日目に玉鷲、13日目に貴景勝に敗れ、3連敗を喫した。今場所も9日目に御嶽海、10日目に玉鷲、この日の11日目に貴景勝と、同じ順番で対戦したが、きれいに全員を土俵に沈めた。先場所の3連敗が始まったのと同じ11日目に、リベンジ完了。平成最後の本場所も、世代交代を許さなかった白鵬が、歴代ダントツ、42度目の優勝へまた1歩前進した。