平成最後の大関が誕生する。関脇貴景勝(22=千賀ノ浦)が、事実上の大関昇進を決めた。かど番脱出へあと1勝としていた大関栃ノ心を押し出し、“入れ替え戦”を制して白星を2桁に乗せた。直近3場所の合計勝利数が、昇進の目安とされる33勝を1つ上回り、阿武松審判部長(元関脇益荒雄)が大関昇進を諮る臨時理事会の招集を八角理事長(元横綱北勝海)に要請して了承された。27日の臨時理事会、夏場所の番付編成会議を経て正式決定する。

支度部屋での一問一答は以下の通り。

-今の率直な気持ち

貴景勝 今日を出し切ってやりたいと思っていた。

-相手を押し出した瞬間は

貴景勝 昨日の夜から自分と向き合う時間が長かった。いろんな人に支えられて、今場所もけがなくいけた。その人達のためにも頑張りたくて、両親も、自分のことを応援してくれる人のためにも、と思いました。

-14日目の取組を終えたときは

貴景勝 昨日は、自分はみんなが言うほど悪くはないと思っていた。終わって振り返ってもしょうがない。振り返るのは場所が終わってからでいい。

-勝利が絶対条件の中で

貴景勝 何を目指してやってきたか、もう1回頭に入れなおした。わんぱく相撲のときから体が大きい人とやってきた。自分は体が大きくなくて優勝できなかったけど。何とか自分の体を武器にしてやってきたことを思い出した。

-大関とりの重圧の中で

貴景勝 部分部分をフォーカスするといろんなことが分かる。去年はけがで15日間相撲を取れなかった場所。(今場所は)たくさんの人にタオルで応援されて、相撲をやってきて良かったと思えた場所。

-1つの目標がかなったのでは

貴景勝 一生懸命、現役のうちは満足せずにやっていくしかない。これからも応援してもらえるようにやっていくしかない。

-父の一哉さんが会場で見守る中で

貴景勝 今場所はおやじが見にきているときに負けていて、情けない子どもだと感じていた。親の前で勝つことができて、今日最後勝てて良かった。

-勝利が決まって胸が熱くなったか

貴景勝 どうですかね。ほっとした。熱くなったというより、全身の力が抜けた。

-最後は涙を流したように見えたが

貴景勝 泣いていない。人前では泣かないもん。だって、これで終わりじゃないから。

-大関という地位

貴景勝 2場所で落ちたら何も意味がない。ここがゴールじゃない。さらに上を目指さないと務められないと思う。経験はないけど、今は頑張るとしか言えない。