大相撲の大関昇進を翌日に控えた関脇貴景勝(22=千賀ノ浦)が26日、東大阪市内の部屋で取材に応じた。27日に行われる伝達式で述べる口上の中身は、大枠で決まっているという。22歳の新大関は「自分の中で大事にしているものを言えたら。大銀杏(おおいちょう)で紋付きを着ているわけだから、軽はずみな発言はできない」と、責任感を口にした。

興味本位で過去の映像もさかのぼった。過去には四字熟語を使用したものが多く、前師匠の元貴乃花親方は「不撓(ふとう)不屈」という言葉を用いている。印象に残った口上を問われると、11年に昇進した現平幕琴奨菊の「万理一空の境地を求めて」や、元大関貴ノ浪の「勇往邁進(ゆうおうまいしん)」を挙げた。「やっぱり皆さんの言葉に大変意味がある。優劣はつけられない」と、敬意を払った。言葉を考え、選ぶことは「好き」と語るが、他者の言葉はあくまで参考にとどめる。「人と自分は違う。名言集なんかを見ても、共通するものを探すだけで、劣勢になったときに知識としてあればいい」。

伝達式本番に向けて、よどみなく述べられないことを恐れない。「あまり練習しまくるのもおかしい。多少(言葉が)詰まっても、自分の考えを言えたらいい」。22歳7カ月22日での昇進となれば、年6場所制が定着した58年名古屋場所以降で初土俵を踏んだ力士では、史上9位の年少昇進。若きスター候補は、晴れ舞台を等身大で迎える。