幕内から陥落した西十両筆頭勢(32=伊勢ノ海)は黒星スタートとなった。

右下手でまわしを引き、土俵際で貴源治と投げの打ち合いとなったが、寄り切られた。「ちょっと受けに回った。もっと自分から攻めないと。でも、仕方ないかな。動けなかったですからね」と話した。

西前頭9枚目だった春場所で左膝下に蜂窩(ほうか)織炎を発症。病状を示す数値が通常の60倍以上で、連日40度近い高熱もあり、2勝13敗の大負けを喫し12年秋場所以来となる十両に落ちた。場所後の巡業は全休。「本当ならその(手術の)予定やったんですが、メスを入れるなら腫れがひどかった春場所時点がよかったそうで」と手術を回避。連日の抗生物質投与と、注射器で患部から膿(うみ)を吸い出す治療を続けてきた。

久々の十両の土俵に「やったことのない相手ばっかり。(取り口が)全く読めません」と勝手の違いに苦笑いした。左脚もまだ力が入りきらない。それでも、大好きなTUBEの曲「傷だらけのヒーロー」のように、連日、相撲を取り続ける覚悟はできている。