佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)の長男で、祖父に元横綱琴桜を持つ東幕下2枚目琴鎌谷(21=佐渡ケ嶽)が、本場所で初めて関取を破った。

2番相撲で埼玉栄高の先輩でもある西十両13枚目明瀬山(33=木瀬)を押し出し。右四つから左上手を取り、出し投げで体を入れ替えて前に出た。20キロ以上重い相手に対し「体が大きくて圧力もある。差されて浮いたら自分の相撲が取れない。しっかり(左上手を)放さないようにした」と、頭をつけ我慢の展開を制した。

本場所で初めて大銀杏(おおいちょう)を結い「ひと味も二味も違う」と、十両の舞台をかみしめた。関取の座は目前。「これから上がっていこうと思っているところ。そこまで気にせずいけた」と、雰囲気にのまれることはなかった。

新大関貴景勝(22=千賀ノ浦)は埼玉栄高で1学年先輩。昨年から同じ二所ノ関一門になり、場所前の連合稽古でも声を掛けられた。「『地力はついてきたからあとは自信を持っていくだけ』と言っていただいた。思い切ってやろうというのが型にはまっている。そういう意味でもいいアドバイスだった」と感謝。先を見据えず目の前の一番一番に集中できている。充実した精神状態で、連勝を伸ばしていく。