新時代の主役候補に悲劇が起きた。新大関貴景勝(22=千賀ノ浦)が夏場所5日目の16日、日本相撲協会に「右膝関節内側側副靱帯(じんたい)損傷にて、今後約3週間の加療を要する見込み」との診断書を提出し、休場した。師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)によると、この日朝に2カ所の病院で、MRIなどの検査を受けた。休場は貴景勝本人による申し出。再出場しない見通しで、このまま負け越せば7月の名古屋場所はかど番で迎える。

前日から休場させる意向だったという師匠は「無理に取って相撲人生を終わらせるわけにはいかない」と、覚悟を決めていた。苦手の御嶽海との連敗を5で止め、新大関Vへ機運が高まりかけた中での出来事。投げ技の際に「グリッと音がした」と貴景勝は振り返っているという。同親方は「本人から言うくらいだから相当痛いはず。本人が一番悔しいと思う」と、痛みや弱みを見せない弟子の心境を代弁した。

新大関の休場は、現行のかど番制度となった69年名古屋以降、18年名古屋場所の栃ノ心以来8人目。栃ノ心、貴景勝と、2年連続で新大関場所が鬼門となった。