現役関取ただ一人の体重90キロ台力士として奮闘する、新入幕で西前頭14枚目の炎鵬(24=宮城野)が、この日も178キロと腰の重い同12枚目の矢後(24=尾車)を手玉に取り、上手ひねりで転がし5勝目(1敗)。幕内前半の土俵をわかせている。

その奮闘ぶりを、協会トップの八角理事長(元横綱北勝海)も「“こうして勝つんだ”という型を持っている。いろいろなことをして左を差したり、足を取ったり、動いても勝っている。大きい人は(対戦するのが)嫌だろう」と評価した。将来的な注文として「今は(この取り口で)いいが、慣れてくると違ってくる。何番も取るうちに(相手も)扱い方が分かってくる。自分(=炎鵬)も進化しないといけない」としたが、現状では「小さい人が大きい人に勝つのが相撲の醍醐味(だいごみ)。今場所は精いっぱいやればいい」と期待した。

また、この日は幕内後半戦の審判長を務めた審判部の藤島副部長(元大関武双山)も「あの体で幕内にいて、それで好成績。お客さんも喜ぶだろうし、大健闘ではないでしょうか」と評価。連日の奮闘を「相手は(炎鵬の)的が小さく思い切りいけないから、やりづらいだろうけど(一方で)自分の倍ぐらいの人とやる炎鵬もきつい。そこのせめぎ合いでしょう」と解説した。