169センチ、116キロの東前頭15枚目照強(24=伊勢ケ浜)が、168センチ、99キロの西同14枚目炎鵬との小兵対決に、すそ払いで完勝した。

まず、お約束となった山盛りの塩まきで館内を沸かせた。立ち合いで低く入られたが、右上手でまわしを引いた。残る左手で炎鵬の後頭部を押さえ込み、動きを封じておいて、右足で後ろから左足を蹴り、相手をあおむけにした。

「先に動いたんで(よかった)ね。上手投げが決まるとは思わなかったから、すそ払いでバランス崩そうと思って。あれ? と思うほど見事に決まった。(炎鵬は)天井の照明見えたんじゃないですか?」

同学年で小兵同士だが、不思議とライバル意識はない。「一門が同じだし、たまに一緒に飯食ったり」。春場所で十両だった炎鵬が右肩を痛めると、自分の部屋のトレーナーに治療をお願いした。「炎鵬が相談してきたから。俺はテーピングいっぱい持ってるから、それもあげましたから」。

とはいえ、土俵上となれば、話は別だ。同じ小兵同士のやりにくさを問われると「いや、自分より小さい相手なら、そりゃ大きい方が有利でしょ? そのために太ってるんですから。場所前から場所中は、1食でステーキ1キロとか、ばんばん食いますから」。オフィシャルの体重は116キロだが、場所直前で124~125キロ。「今は130キロほどあるんじゃないかな」。体力面で圧倒して、3勝目。入幕2場所目で幕内の空気にも慣れた。注目の小兵力士は炎鵬だけじゃない。