東幕下3枚目の一山本(25=二所ノ関)が、勝ち越しを決め、来場所の新十両昇進に大きく前進した。

ともに3勝2敗で迎えた東幕下2枚目の琴鎌谷戦。本場所では取組前まで1勝1敗と五分だが、同じ二所ノ関一門とあって、連合稽古などで何度も胸を合わせてきたが「いいイメージはなかった」という。それだけに「勝ててよかった」と、しみじみと話し、胸をなで下ろしていた。

16年9月の年齢緩和制度適用第1号力士。23歳未満だった新弟子検査の年齢制限が、相撲や柔道、レスリングなどの格闘技で一定の成績を持つ経験者を対象に、25歳未満へと24年ぶりに変更された。中大時代に全国学生選手権16強などの実績のあった一山本は、就職していた地元北海道の福島町役場を退職して、大相撲の世界へ飛び込んだ。

今場所の東幕下3枚目は、昨年名古屋場所に並ぶ自己最高位。その時は3勝4敗と負け越していただけに「勝ち越さないと上には上がれない」と、新十両昇進は周囲の勝敗に左右されるが、最低限の目標に掲げた4勝目を挙げ、随所で笑みをこぼした。「あと一番勝たないと。気持ちを引き締めて頑張ります」。新十両昇進をさらに近づけるため、残る一番で貪欲に5勝目を目指していく。