平幕の玉鷲(34=片男波)が豪腕で朝乃山を止めた。優勝争いのトップを走る相手を強烈な右のど輪、左のおっつけで押し込み、最後は頭からダイブして押し出した。

「良かったですね。もたもたしてたら、相手も強く(いい体勢に)なるから」。8勝4敗と勝ち越しも決めて、喜んだ。

関脇だった初場所に、抜群の腕力を生かした押し相撲で初優勝。春場所は5勝10敗と負け越し、今場所は番付を落とし、西前頭3枚目。2連敗スタートと序盤は負けが先行したが、8日目に全勝だった鶴竜に土をつけ、この日で5連勝だ。朝乃山が優勝争いトップだったことを「もちろん意識していた」と言う。「いや~気持ちいいッスね。これでみんな楽しくなる」。実力者が混戦の演出者になった。