大関経験者で東三段目49枚目の照ノ富士(27=伊勢ケ浜)が、土俵復帰2場所目もケガなく無事に終え、皆勤した。

今場所最後の7番相撲は西55枚目の大翔前(21=追手風)との一番。右から張って左を差し、右を抱えた。何とか振りほどこうと回り込む相手の動きにも対応。引いて前のめりになったが、落ち着いて正対し、最後は右の突き一発で押し出した。6勝1敗で今場所を終え、来場所の幕下入りに望みをつないだ。

場所を終えたとあり、柔和な表情で「来場所っすね。もう今日から来場所の練習をします」と話した。場所後の稽古もイメージ。今場所前までは、本格的な相撲を取る稽古は出来なかったが「胸を出して相撲を取れるように、体を準備していく。(今はまだ)瞬発力がなく足が出てない。力はついているけど全体的に良くない。動き自体は先場所よりはいいけど、納得していない部分もある。土俵勘もなかったから」と、貪欲な姿勢を示した。

今場所の7番を振り返り「練習している感覚。夜もトレーニングしてたし、その繰り返しを今日から続けようと思う」と話した。返す返すも、ストレート勝ち越しをかけた8日目の4番相撲が悔やまれる。勝負ありと思いこみ、力を抜いてしまい逆転されて負けた痛恨の一番だ。それも「終わったことなんでね」と意に介さない。負けたことで相撲が慎重になったのはプラスになるかもしれない。関取復帰へ、いばらの道ではあっても懸命に突き進む。