1場所での再入幕を目指す東十両筆頭の豊ノ島(35=時津風)が、7勝5敗で臨んだ初顔合わせの西8枚目大翔丸(27=追手風)戦に敗れ、勝ち越しはお預けとなった。

押し相撲を相手に、立ち合いは踏み込んで圧力をかけた。だが、押しが“本職”の大翔丸に押し込まれ、引いて体勢を立て直した。ここから二本を差そうとしたが、両脇を固める相手に差せず、逆に押し込まれ正面土俵下に押し出された。

本場所での対戦はないが、場所前に出稽古に来た大翔丸とは何番か手合わせした。少しだけ感じたのは「豪風関(現押尾川親方)とやってる感じで、苦手なイメージがあった」。よし来い! とばかりに構える「相手の高さに合わせてしまった。ぶつかり稽古ぐらいの高さに」と、体を反らせ対応しようにも、下から持ち上げられるような押しに屈した。

相撲そのものには気負いは感じられないように見えたが「勝てば勝ち越しという気負いは?」という問いかけに「ないと言ったらウソになる」と否定はしなかった。修羅場は、いくらでもくぐり抜けてきた。「泣いても笑っても、あと2番しかないから思い切って」とこの日の黒星を踏ん切って、残り2日の土俵に勝ち越しをかける。