1場所での再入幕を目指す東十両筆頭の豊ノ島(35=時津風)が、8勝目(5敗)を挙げ勝ち越し決定。来場所の再入幕を確実にした。

昨年九州場所から4場所連続での対戦となった西前頭16枚目の石浦(29=宮城野)戦。ここまで相手も5勝8敗で幕内残留に、いちるの望みを残すだけに激しい攻防が予想されたが、突き押しで小兵を放し、左に回られても冷静に対応。反撃の糸口も与えず、押し出して待望の8つ目の白星をものにした。

石浦には、ここまで1勝2敗。「負けた相撲は引いて墓穴を掘ることが多かったから、前に出ようと思った」と反省を生かした。この日も「おっつけられて引きたかったけど」と一瞬、迷ったがすぐに払拭(ふっしょく)。「どんどん前に出ようと思った」と給金相撲に満足した。

これまで「自慢じゃないけど、ケガ以外では十両で負け越しがなかった男」という自負がある。今回も幕内から陥落後、1場所での“通過”となったが、それにはやや照れ笑い。「(7日目を終え)6勝1敗の時に“通過点”と言うなら分かるけど、やっとだからね。“どの口が言うんだ”って言われそう」と笑い飛ばした。「とりあえずホッとしたんで、明日は思い切って楽しみたいね。(場所中も)“相撲を楽しむ”って言いながら、楽しめなかった。明日は思い切って楽しんで、終わりよければ全て良し、といきたいね」と心からの笑みを浮かべた。