小結御嶽海(26=出羽海)が、朝乃山との初顔合わせに完勝した。立ち合いから距離をつぶし、厳しいはず押しでまわしを許さず、寄り切った。

「力の差を見せつけましたよ」。学生相撲の先輩として、昨年名古屋場所で先に幕内優勝を決めた者として、昭和以降単独2位の15場所連続三役在位が確実な“若手のリーダー”として、突き上げてくる後輩をたたきつぶした。

学生横綱、アマチュア横綱に輝いた東洋大時代、近大で1学年下だった朝乃山と1度対戦しているが「記録はゼロ。瞬殺した相手は覚えてないです」とバッサリ。格の違いを誇示し、まるで“顔じゃないよ”と言わんばかりだ。

一方で、先輩らしい優しさもあった。自分たちの取組は、トランプ米大統領が来場、着席した直後。場内の観客は総立ちになり、大統領を注視し、ざわつきは収まっていなかった。場所に到着後、自分の取組前に大統領が入場するため、時間が空くと説明は受けてはいたが「もうちょっと工夫が欲しかったです。あれじゃあ(観客が)トランプ大統領を見に来たのか、優勝した朝乃山を見に来たのか、わからない。朝乃山がかわいそうでした」と言う。

来場所は昨年、歓喜の初優勝を飾った名古屋。「昨年より、いい状態で入れると思います」。大関へ、2度目の優勝へ。次につながる形で夏場所を終えた。