大相撲夏場所で初優勝を平幕で成し遂げ、名古屋場所(7月7日初日、ドルフィンズアリーナ)で東前頭筆頭まで番付を上げた朝乃山(25=高砂)が28日、愛知・犬山市の時津風部屋で連日の出稽古を行った。

この日は、やはり出稽古に来た関脇御嶽海(26=出羽海)と西十両2枚目の巨漢・臥牙丸(32=木瀬)、時津風部屋の東前頭3枚目正代(27)、西十両3枚目豊山(25)の関取衆5人で申し合い稽古。朝乃山は御嶽海と並ぶ最多18番取って12勝6敗と勝率NO1だった。

優勝決定翌日の先場所千秋楽で、観戦した米国トランプ大統領の前で敗れた御嶽海には、前日は1勝1敗だったが、この日は6勝2敗と水をあけた。御嶽海との稽古に限らず、立ち合いで左肩からかち上げ気味に踏み込むなど「普段やらないことを試した」と言い、得意の右上手を取れなかった際も慌てず「前に出ながらやる(上手を取る)」と目的意識も十分。18番の番数には「全然(体力的に)上がってない」と話しつつ「(12勝6敗の)勝敗より自分の相撲を取れるかどうかが問題。(その意味では)良かったと思う」と納得の出稽古だった。

今後も続ける出稽古について「自分の課題、弱点が見つかる。それを直すことができる」と即答した。稽古の番数も「自然とスイッチが入ったら20番以上になる」と自然体を強調。御嶽海からは「同世代で怖い存在になる。追いつかれないようにしなければ」と警戒されつつ「体力があって大きい相撲を取るから自分も楽しい」と、良きライバルとして存在を認められつつある。上位総当たりで簡単には勝たせてくれないだろうが、スケールの大きい本格派の四つ相撲で、猛暑の場所をさらに熱くさせてくれそうだ。