祖父に元横綱琴桜、父に現師匠で元関脇琴ノ若の佐渡ケ嶽親方を持つ、新十両の西十両14枚目琴ノ若(21=佐渡ケ嶽)が、関取初勝利を挙げた。

同じ新十両の東十両13枚目一山本(25=二所ノ関)を寄り切り。回転の速い突っ張りをしのぎ、もろ差しでしぶとく前に出た。師匠のしこ名で初めて勝ち名乗りを受け「やっとですね。感慨深いものがある」と話し、大きく息を吐いた。

連敗した2番も内容は悪くなかった。「その前の2番も全く納得いかない相撲ではなかった。自分の中で流れをつかめているような感じだった」。師匠には「勝負を焦るな。お前の力を出し切れ」と言葉をもらった。先代師匠の祖父にもいい報告ができそう。「完勝ではないので。(祖父には)1位になったとき以外は褒められない。もっと内容にこだわっていけと言われるんじゃないかと思う」。ポーカーフェースの21歳が、少し表情を崩した。