三役経験者の西十両8枚目勢(32=伊勢ノ海)が2勝目を挙げた。明瀬山との1番は押し出しで自分に軍配が上がったが、もの言いがつき、同体とみられ、取り直しに。立ち合いから力強い踏み込みで、最初の相撲と同じような形で一気に押し出した。

「もの言いがついたけど、1発目のいいイメージのまま2発目も当たれた」。春場所から左足膝下の蜂窩(ほうか)織炎に苦しみ、今場所からようやく力強さが戻ってきたが、9日目を終えて2勝7敗と状況は苦しい。大負けなら、11年秋場所以来という8年ぶりの幕下陥落もありうる立場にいる。「いやいや、命まで取られる訳じゃない。落ちたら上がればいいだけの話。これで終わりじゃない。(幕下陥落など)ちっちゃなことを考えたら、相撲がとれなくなります」。勝敗を気にせず、当たって前に出る、自分のスタイルに専念することを強調した。