全勝の横綱鶴竜(33=井筒)が無傷のまま、初日からの連勝を「10」に伸ばした。前日9日目に白鵬から金星を挙げた逸ノ城(26=湊)を終始、頭をつけた体勢から寄り切った。単独トップのまま終盤戦の土俵に臨む。追う立場から43度目の優勝を狙う横綱白鵬(34=宮城野)は、既に負け越しが決まっている関脇玉鷲(34=片男波)と対戦。過去の対戦成績14勝1敗を立ち合いの強烈な左張り手と突きで泳がせ、最後は突き落としで勝負を決めた。9勝1敗とし、1差で鶴竜を追う。

4人の大関陣でただ1人、出場している高安(29=田子ノ浦)は、平幕で初顔の明生(23=立浪)を寄り切って勝ち越し決定。8勝2敗で優勝争いに踏みとどまった。

三役陣では、3敗の関脇御嶽海(26=出羽海)が大栄翔(25=追手風)に突き出され4敗目(6勝)を喫した。新三役の小結阿炎(25=錣山)は、東前頭筆頭の朝乃山(25=高砂)に引き落としで勝ち、5勝5敗の五分に戻した。三役以上との対戦を終えた朝乃山は4勝6敗で終盤戦に臨む。同じく新小結竜電(28=高田川)は、北勝富士(27=八角)に敗れ3勝7敗と後がなくなった。北勝富士は4日目から7連勝で勝ち越しに王手。返り三役を残り5番にかける。

平幕ながら優勝争いで2敗で追う友風(24=尾車)は、新入幕の貴源治(22=千賀ノ浦)を上手投げで破り勝ち越し決定。妙義龍(32=境川)も松鳳山(35=二所ノ関)を押し出しで、照強(24=伊勢ケ浜)も千代丸(28=九重)を押し出して勝って、いずれも勝ち越しを決めた。

人気力士の炎鵬(24=宮城野)は、錦木(28=伊勢ノ海)を寄り切って7勝目。初の幕内勝ち越しに王手をかけた。十両は剣翔(27=追手風)が勝ち越し一番乗りを果たし、8勝2敗で単独トップに立った。

10日目を終え幕内優勝争いは、鶴竜が全勝で単独トップ。1差で白鵬が追い、さらに2敗で高安、妙義龍、友風、照強が追う展開となった。