東前頭14枚目豊ノ島(36=時津風)が7勝目を挙げ、幕内残留を確定的にした。相手を見るような立ち合いだったが、その後は先手先手と錦木を攻めて押し出した。

「俺が早いかな? 待ったかな? そんな感じではっけよい、となって…。ちゃんと踏み込んでいかないと、気を抜いたらいかんなと思いました」と中途半端な立ち合いを反省しつつ、表情は緩んだ。

今場所6勝9敗で終われば、十両陥落の恐れがあった。「もちろん意識して、緊張しました。だから逆に心の中で(幕下だった)昨年を思い出せ、と。こんなところで緊張している場合か、と考えるようにしたら、全部じゃないけど、少しフッと楽になった」という。

序盤1勝5敗という出遅れから、終盤の3連勝で星を五分に戻した。「横綱(白鵬)と話をして、毎朝土俵に下りるようにした。それからですかね。少しでもいい。体を動かして汗をかいて」。15日間の中で立て直し、7勝7敗で千秋楽を迎えられることを、36歳のベテランは喜んだ。