大相撲の前頭明生(24=立浪)が、横綱鶴竜からのアドバイスに感銘を受けた。12日、山形県村山市で行われた巡業に参加した。

今回の巡業の開催15日目だったが、明生はこの日まで朝稽古を皆勤。だがこの日は、小結竜電、前頭阿武咲と計5番取って全敗と調子が上がらなかった。その後、ぶつかり稽古で鶴竜に約2分間、胸を借りたが、稽古後に水をつけに行くと、すべてを見透かされたように「無理してやってもダメだ」と助言された。

明生は「さすがに疲れがたまっていた。そろそろ自分でも、休まないといけないとは思っていたけど…。鶴竜関は、そういうことを見ている人」と、休養の必要性を諭され、感謝していた。

普段、茨城県つくばみらい市の部屋で稽古している明生にとっては、他の部屋の関取衆と稽古できる巡業は、願ってもないチャンスと感じている。「いつものことだけど、巡業はいつも追い込んでしまう。疲れている状態が続いても、いい稽古はできないのに」と、反省を口にする。巡業は長時間の移動も伴い「眠る時間もバラバラ」と、体調管理も難しい。それだけに、鶴竜の言葉が身に染みた様子だった。

7月の名古屋場所は自己最高位の東前頭4枚目に番付を上げて臨んだが、4勝11敗と上位のカベに阻まれた。「課題は寄り方、まわしの取り方。胸が合ってしまうと、うまく取れない」と、対戦相手に研究されていることも強く感じた。「自分はこれだ、という形をつくることが必要だと思う」と、今後の巻き返しへと力を込めていた。