夏場所と名古屋場所の優勝額の贈呈式が7日、両国国技館であり、夏場所で初優勝した西前頭2枚目朝乃山(25=高砂)が名古屋場所優勝の横綱鶴竜とともに出席した。集まったファンの歓声を浴びながら、国技館内に飾られる縦3メートル超×横2メートル超の巨大な額を前に笑顔で記念撮影を行った。

「初めてだったのでちょっと緊張しました。もう過去のことなんですけど“優勝したんだ”って実感がわいて来ました」と喜んだ。贈呈式前には三役以上の力士が出席する土俵祭があり、こちらは平幕で出席できなかった。「本当はそっちも出て、こっちに来たかった。これからもう1回と言わず、大阪、名古屋、福岡でも、何回も優勝できるように頑張りたい」と今後に向けた決意も語った。

西前頭8枚目で優勝し、東前頭筆頭で迎えた名古屋場所は、初の上位戦を7勝8敗で終えた。「悔しい。リベンジしたい気持ちは、あります」。優勝で激増した所用をこなし、名古屋場所を駆け抜け、巡業へ。

疲れが出たのか、8月31日の総見直前、左脚に蜂窩(ほうか)織炎を発症。39度の高熱が出て、左太ももがパンパンに腫れた。点滴を連日、打ち続け、相撲をとる稽古は6日、若い衆相手に再開した。

「蜂窩織炎には初めてなった。場所に入って、再発させたくないし、今日も点滴は打ちに行きます。巡業で左膝に擦り傷ができて、そこから菌が入ったのか…。場所前の大事な2週間でしょう? せっかく巡業をしっかりやって、総見も時津風一門の連合稽古も行きたかったのに。だからすごく悔しい」

ただ、表情は明るい。周囲からは優勝争いの期待も高まるが「だから(=蜂窩織炎の影響もあるから)目標はまず謙虚に8勝7敗でお願いします」と、冗談交じりに笑顔で宣言。「相撲勘を取り戻して、頑張ります」と気合を入れた。