6年初場所以来となる、幕内での勝ち越しを目指す西前頭14枚目の豊ノ島(36=時津風)が、黒星発進にも好感触を得た。

新入幕で東前頭14枚目の剣翔(28=追手風)と対戦。もろ差し狙いも懐に入れず、距離が開いた攻防で劣勢となり寄り切られた。「(中に)入ると決めていたのに、はじいて行こうかとか、前みつを取りに行こうかとか、迷ったのがダメだった」と立ち合いの迷いを敗因に挙げた。十両時代の今年初場所では、軍配は自分に上がったが物言いがつき取り直し。仕切り直しの一番は寄り切りで勝っていたが、初の幕内対戦で土をつけられ悔しい黒星発進となった。

もっとも場所前の状態を考えれば悪くはない内容だ。初日まで1週間を切った稽古中に足を痛めた。幸い腫れと炎症で大事には至らず。それでも満足な稽古は出来ず「ぶっつけ本番だった」という。そんな手探りの状況で、この一番では相手のいなしに足がついていき、右から得意の肩透かしを引くなど不満を払拭(ふっしょく)する動きに「足を気にすることなく相撲を取れた。全然、動けるということを確認できた。明日から思い切っていける」と手応えをつかんだ一番だった。