横綱白鵬(34=宮城野)は、日本国籍取得後の初陣を白星で飾ることができなかった。立ち合いで左を張ったが、北勝富士(27=八角)の出足を食い止められなかった。相手に右を深く差され、左上手を取れずに後手に回って寄り切られた。

07年名古屋場所で横綱に昇進後、73場所目で初日黒星は9度目。過去8度はすべて小結相手だったが、今場所は珍しく前頭筆頭と初日に組まれ、自身初の初日の金星配給となった。取組後は「見ての通り」とだけ話し、あとは無言を貫いた。

3日付官報で告示され、日本人となった。それから6日目のこの日の朝稽古後は「実感は出てきた」と話す一方で「フワフワした感じ」と、普段の場所とは違う心境も明かしていた。土俵入りは前頭炎鵬、石浦の弟弟子2人を伴い、初めて宮城野部屋力士だけで行った。2つの節目を飾れず、終始首をひねっていた。