16年初場所以来となる、幕内勝ち越しを目指す西前頭14枚目の豊ノ島(36=時津風)が、初日から黒星を3つ並べてしまった。

十両時代を含め過去、4回の対戦で●○●○と五分で迎えた東前頭15枚目の小兵・石浦(29=宮城野)と対戦。互いに呼吸が合わなかったのかフワッとした立ち合いも、左をのぞかせながら右はハズにあてて押し込んだが、土俵際に落とし穴が。体を右に開かれ右からの突き。目の前の標的を失った豊ノ島は、突き落としで土俵下に転がされた。

勝ち運に見放されると、いくら相撲内容が良くても白星は転がってこないのか-。そんな、もどかしさも残る中、豊ノ島は自身の相撲内容を「立ち合いはおかしかったけど、それ以降は圧力をかけて前に出られた。あそこで(相手の逆転技が)決まるか決まらないかは紙一重の差」と、決して悲観視はしなかった。あえて「足の運びが、ちょっと足りなかったかな」と反省点を挙げたものの、イメージ通りに取れたことには悔いはなさそうだった。

負け越した先場所も、初日から3連敗したが何とか盛り返し1点の負け越し(7勝8敗)にとどめた。「早く(1つ)勝ちたいけど、慌てずに目いっぱい、自分の相撲を取れればね。気を落とさずに、明日から切り替えていきますよ」と自分に言い聞かせながら場所を後にした。