関取復帰へ順調に歩を進めている。大関経験者で序二段まで陥落後、番付を上げてきた東幕下27枚目の照ノ富士(27=伊勢ケ浜)が、今場所の3番相撲にも勝って土つかずの3連勝。土俵復帰後、4場所連続勝ち越しに王手をかけた。

同25枚目の元亀(25=阿武松)と対戦。埼玉栄高-明大とアマ相撲でならした相手が、突き放しで何とか懐に潜ろうとする中、落ち着いて常に相手を正面に置いて対応。一度、右から顔を張られたが、左足を半歩出す体勢で受け流し、最後は左に回り込んだ相手を西土俵下まで、豪快に突き倒した。

相手の突き押しに「(相手の)押しが強いと感じた相撲は久しぶりで(復帰後は)なかった」と久々の感触を振り返りつつ「落ち着いて、ちょっとずつ攻めていこうと意識した」と冷静そのものだった。初顔合わせの相手の相撲は「もちろんビデオを見た」と予習は今回も欠かさず「横にけっこう回る人。それに気をつけようと思った」と、イメージと体の動き、対応にも狂いはなかった。

勝ち越しに王手。足の運びと回復も含め「まだ4番ある。1つずつ重ねていけば」と慎重に、復帰街道を歩むつもりだ。場所前に風邪気味になったが、すぐに「ひどくならないように」と体調管理に努めた。それでも日本独特の湿気の多い暑さには「蒸し暑いのは苦手だからね」。その湿気を含んだ暑さも、この日で一段落。残り4番も締めくくり「実りの秋」を迎えたいところだ。