東前頭15枚目石浦(29=宮城野)が4勝1敗で序盤戦を終えた。

自分より16センチ高く、62キロ重い貴源治を、立ち合いで潜り、下から押し上げ、先手を奪い送り出した。

「朝稽古で若い衆相手にやったイメージでいきました」。

「最悪」という状態で場所に入り、好結果につなげている。「いつもは調子が悪くても“状態はいい。体も動いてる”と言い聞かせてるんですが、今場所は“悪い”と認めて、考えながらやっているのがいいのかも」という。

調子を上げるため、取り入れた試みもある。これまでの場所中は、疲れをとることを優先してきた。今場所は取組後に帰宅して、まず荒川の土手に足を運んでダッシュ10本。初動負荷理論で知られる都内のワールドウィングジムまで自転車で向かい、汗を流す。従来は5日に1度のペースだったルーティンを連日こなす。「相撲が終わった後の生活を大事にしようと思って。できることは何でもやってやるという感じです」と、貪欲に取り組んでいる。