元横綱大鵬の孫で東幕下10枚目の納谷(19=大嶽)が、今場所初白星を挙げた。身長で15センチ以上、体重は約70キロも小さい東幕下4枚目の翠富士を押し出し。

立ち合いから突き放して押し込み、横に動く相手を慌てずに攻め続けた。「落ち着いて突いていけたのでよかった。自分の高さ、自分のペースで取ることを考えていた。失礼な言い方かもしれないけど、立ち合い、もろ手(突き)一発で決めるぐらいのイメージを持って臨んだ。理想通りではなかったけど、もろ手で当たって押し込めた」と、手応えを感じていた。

2連敗したことで、自分の相撲を繰り返し見て研究した。特に見たのが今場所取った2番と、先場所の最後の2番。「どこが悪かったか分からなかったから、今場所の2番。先場所の最後の2番は、自分の中ではいい相撲を取れたと思っていたから」。課題を見つけることと、良いイメージを思い出し、植え付けることを、毎夜就寝前に行ってきた。

場所前には父の元大嶽親方(元関脇貴闘力)から「肩を前にして取れ」とアドバイスも受けていた。納谷は「昔から、腰の位置を低くして、脇を締めようとすると思うと、手の位置が低くなることがあった。(父は)考えて取っていた人なので、まだ自分には難しいこともあるけど、肩を前にして相撲を取るのは意識している」と、この日の白星にも結びつき感謝。今後の巻き返しを誓っていた。