東前頭3枚目大栄翔(25=追手風)が、11度目の挑戦で初金星を挙げた。

横綱鶴竜(34=井筒)を押し出して2勝4敗。2度、3度と食らったいなしに耐え、体勢を立て直して押し出し。自信を持つ突き、押しの威力をいかんなく発揮し「(座布団が舞う瞬間は)テレビでしか見たことがなかった。夢のようというか、うれしいですね」と、実感が湧かないのか、表情を崩さずに答えた。

大関復帰を目指す関脇貴景勝ら、初日から上位陣に対しても圧力で負けなかった。「自分の立ち合いができている。自分は突きと押ししかない」。鶴竜とは同じ時津風一門で、場所前の連合稽古などで稽古をつけてもらった。「横綱は何でもできる。スピード、まわしをとる、突き…そういう人とできた。自分の突きで少しでも横綱を押し込めたら自信につながるんです」。

大仕事を果たしたが、黒星が先行している6日間。新三役を目標に掲げるホープは「すごいうれしいけど残りがある。ここから気を引き締めたい」と、金星の喜びに浮かれず淡々と話した。