西前頭14枚目の豊ノ島(36=時津風)が、今場所2度目の3連敗で1勝6敗と、16年初場所以来の幕内勝ち越しに苦しい状況に立たされた。

過去幕内で3勝2敗の同9枚目琴勇輝(28=佐渡ケ嶽)と対戦。立ち合いで左ノド輪で押され後退。懸命に、その左腕をはね上げたが二の矢、三の矢の突きを、やはりノド元に受け防戦一方。反撃の糸口さえつかめず、一気に突き出された。

この日が通算1300回出場(現役4位)の節目の土俵だったが「白星がほしかったな」とボヤいた。相撲については「(相手の攻めを)残せない感じだった。左を殺して正面に(自分を)置いて、突き押し相撲の対豊ノ島の手本のような相撲を取られた」と振り返った。

あとは、一方的な相撲で敗れた歯がゆさで、自分を責める言葉が続いた。「36歳で最年長(関取)だと、自分を慰めている。それがダメなんだ。36歳なんか世間では若造。何してんだ若造が…という気持ちでやらないと。我慢できる痛みなのに(場所前に)痛めた足を引きずっているのが嫌になる。みっともないし相撲を取るからには精いっぱい取らないとね」。その気概があれば苦境は乗り切れそうだ。幕下陥落のことを思い出して、後半戦の土俵にベテランが臨む。