12日に現役引退を発表した元関脇嘉風の中村親方(37=尾車)が16日、東京都内で記者会見を開き、引退のきっかけとなった右膝などのケガについて明かした

。6月に地元の大分・佐伯市での合宿中、市のPRのためのキャニオニング(渓流下り)で受傷。「足首にまひが残ってしまって、装具をつけなければ、歩行も難しい。土俵に立つことを、あきらめざるを得ない状況になった」と話した。この日も右足は雪駄(せった)でなく、装具をつけて慎重に歩いた。今後も手術を受ける可能性がある。

中村親方は地元への愛情が強く、ケガの状況を明かすかどうか悩んだという。事実を伝えた一方、PRを引き受けたことに後悔はなく、「誰かを責めているわけではありませんし、誰も憎んでいません。市長からはできる限りのことはすると言ってもらった」と話した。補償問題などについて、双方の弁護士が話し合っており、和解を望んでいる。

思い出の一番には「勝った相撲だと、負けた相手を出すことになるので、それはしたくない」として、新小結だった14年夏場所の大関稀勢の里に敗れながら観客を沸かせた相撲を挙げた。