東前頭14枚目剣翔(28=追手風)は、105年ぶりの新入幕優勝を逃した。

西前頭9枚目琴勇輝(28=佐渡ケ嶽)のもろ手突きで出足を止められると、そのまま後退。「突きが張り切れなかった」と、見せ場なく4敗目を喫した。優勝の可能性は3敗の御嶽海、貴景勝、隠岐の海に絞られたため、1914年5月場所の両国以来となる新入幕力士の優勝はなくなった。

勝ちたい気持ちが先行しすぎた。「思い切りが足りない。思い切りいくより、勝ちにいく感じ。それがダメだった。優勝争いは、何も考えていなかった」。支度部屋では目を閉じながら無表情で報道陣の質問に答える剣翔だったが、時間がたつにつれて表情も豊かに。「10番勝って、敢闘賞もらえないことってあるんですか?」と、お決まりの“逆質問”をして「欲しいな…敢闘賞」と言い残し、支度部屋を引き揚げた。