千秋楽の割は優勝争いを優先させて組まれた。これで優勝は12勝3敗。何とか幕内優勝の面目を保てる数字だろう。

やはり両関脇が賜杯に近いだろう。貴景勝は、豪栄道戦の黒星を引きずらず精神的に強いことを、竜電を一蹴した相撲で証明した。3敗同士の千秋楽の隠岐の海戦は、左さえ差されなければ突き押し一辺倒でいける相手で迷いなく臨める。御嶽海は注文相撲で勝ちを拾いにいった。勝ちさえすればいいという気持ちで、千秋楽の遠藤戦も臨めるか。勝負は勝負と割り切れるタイプだろうが、大関を目指す関脇として物足りない変化。さらに今場所の遠藤は粘り強さがある。四つに組まれるとどうか。この両関脇がともに本割で勝てば優勝決定戦になる。8日目に勝ったこと、普段の稽古量に裏付けされたスタミナ、精神的な強さを考えると貴景勝有利かと思う。(高砂浦五郎=元大関朝潮・日刊スポーツ評論家)