日本相撲協会は26日、東京・両国国技館で九州場所(11月10日初日、福岡国際センター)の番付編成会議を開き、元横綱朝青龍のおい、豊昇龍(20=立浪)らの新十両昇進を決めた。東幕下5枚目だった秋場所で4勝3敗の成績を収め、序ノ口デビューから所要10場所。おじより1場所遅い昇進となった。茨城・つくばみらい市で行われた会見に出席し、司会者に「豊昇龍“関”」と呼ばれると「自分のしこ名に“関”とついてすごく気持ちいい」と笑顔。関取に昇進した実感が湧いて出てきた。

秋場所で2敗目を喫し、その敗戦を受けておじがツイッターで書き込んだ「甘い!」「戦うなら殺すつもりでいけ!」というゲキに発奮した。「(負けて)すごく落ち込んでいたので気合が入った。俺のことを期待して、応援してくれるから」。小さい頃から厳しかったおじだが、10月2日には新十両昇進を祝ってモンゴルでパーティーを開催してくれるという。モンゴルに帰るのは入門して2度目。会見では、昇進祝いとして「おじさんに着物を作ってもらいたい」と“おねだり”する一幕もあった。

おじ譲りの強靱(きょうじん)な足腰が武器で、師匠の立浪親方(元小結旭豊)も「教えてできるものじゃない。天性の身体能力」と舌を巻く。15歳で日本に留学してきた時は175センチ、66キロだったが、5年間で187センチ、125キロに成長。身長はいまだ伸び続けているという。関取としてはまだまだ細身だが、師匠は「雑用も減るしこれからもっと大きくなる。どのくらい強くなるのか分からない。これから白まわしを締めることで内面も強くなっていく」と大きな期待を寄せた。

研究熱心な一面ものぞかせる。相撲を始めた高校時代から、相撲関連の動画を見るのが趣味。プロに入ってからも、自身が負けた取組は何度も見直す。「負けた取組を見ると、自分の悪いところが分かるから。高校の頃から布団の中で寝る前にたくさん見る」。他の力士で1番見るのは、もちろん現役時代のおじの取組。「どうしたらこの人みたいになれるのかなといつも思っている」と、最高の手本にしている。以前、足の親指の力が不足していると指摘され「新聞紙を(指で)つかむトレーニングをしろ」とアドバイスをもらった。豊昇龍の他に同じく新十両昇進を決めた琴手計改め琴勝峰、元横綱大鵬の孫の納谷、北の若ら次代の主役候補がそろう同年代。将来的な目標を問われると「おじさんのいったところ(横綱)までいきたい」と、角界の頂点を見据えた。