大関高安(29=田子ノ浦)が、兄弟子の背中を追う決意を改めて示した。荒磯親方の節目、襲名披露大相撲に出席。断髪式では参加した約300人の中でも、高安ら協会関係者がはさみを入れるのは終盤で「結構(髪が)切られていて寂しくなった」。短くなった頭髪を見て、兄弟子の引退を実感した。横綱土俵入りでは太刀持ちを務め、綱取りへ意欲が増した。「大関に上がってからやっていないので久々だったが、武者震いがした。今日は太刀持ちだったけど、いつかは自分が土俵入りしたい」。

秋場所を休場する要因となった左肘のけがは回復傾向にある。この日は左肘にテーピングし、割に入って相撲を取った。「だいぶ回復した。あとは筋力を戻したい」。10月5日からの秋巡業は初日から参加する予定。段階を踏んで相撲を取る稽古を行う意向を示した。九州場所(11月10日初日、福岡国際センター)はかど番。荒磯親方からは「かど番でも優勝の可能性はある。もう来年で30歳だから勝負の年。後押ししたい」とエールを送られた。高安は「まげはなくなったけど、これから稽古をお願いすることもある。楽しみ」と笑顔で兄弟子に“お願い”した。【佐藤礼征】