日本相撲協会は28日、九州場所(11月10日初日、福岡国際センター)の新番付を発表した。先場所10勝の朝乃山(25=高砂)は新小結に昇進して西の2番目に就いた。この日、福岡市の部屋で行われた会見に出席し「先場所は左上手、右差しで右四つの形を徹底できた。上位に上がれたことを自信にしたい」と胸を張った。

同じ富山県人の存在も刺激になっている。米バスケットボールNBAで、23日(日本時間24日)のデビューから3試合連続で2桁得点をマークしているウィザーズ八村塁(21)は同郷。「八村選手は自分より年下で、NBAで活躍しているので刺激になっている。負けないように、切磋琢磨(せっさたくま)して富山を盛り上げたい」。朝乃山も富山県出身の力士では85年九州場所の琴ケ梅以来、戦後3人目の新三役。「素直にうれしいです」と笑顔を見せた。

次の番付を目指す、スタートラインに立った。朝乃山は「小結で終わらないで、もっと上があるので」と表情を引き締め、師匠の高砂親方(元大関朝潮)も「これからは協会の看板力士。三役で10番勝つこと、それが重なって次につながる」と話した。上位を相手に2桁白星を挙げた弟子について師匠は「横綱、大関を相手にしても相四つだからうまく相撲を取れている。ただ、同じ相手に負けている、突き押しの相手に。そういう相手をさばければ三役にずっと入れると思う」と課題を分析。師匠の言葉を受けて、朝乃山は「体を反らないで丸くして攻めて寄り切る、そういうイメージをしていかないとダメ」とうなずいた。

本場所まで約2週間。初めて上位力士に挑戦した名古屋場所前は、出稽古で横綱白鵬の胸を借りるなど精力的だった。「(今場所前も)出稽古に行くつもり。しっかり体調を整えて、場所に臨みたい」と話した。