東十両13枚目の琴勝峰(20=佐渡ケ嶽)が、十両昇進後、最初の取組を白星で飾った。

199キロの臥牙丸を立ち合いから押し込むと、最後は左を差して右前まわしを引きつけ、危なげなく寄り切る完勝。「立ち合いで、しっかりと踏み込めたし、内容は良かった。あまり考えず、前に前に攻めようと思った」と、胸を張った。関取初白星には「とりあえず安心しました」と、笑顔を交えて素直に話した。

直前の取組で、同じ新十両の豊昇龍が勝った。高校時代から、しのぎを削ってきたライバルが先に関取初白星を挙げたことで「負けられないと思った。自分は自分の相撲だけど、気持ちとしてはグッとくるものがあった」と、闘志に火がついていたことを明かした。これまでの2倍以上の番数となる、初体験の15日連続の本場所土俵にも「後先を考えず、一番一番取っていきたい」と不安はない。先場所までの琴手計から改めた、新たなしこ名も、場所前に1度呼び上げられる機会があり「気持ちが引き締まった」という。将来性十分の190センチ、159キロの逸材が、最高の内容で関取衆としてのスタートを切った。