膝のケガから4場所連続全休を経て本場所の土俵に復帰した西序二段106枚目で幕内経験者の宇良(27=木瀬)が、7番相撲を取り復帰場所を締めた。

この日の相手は、序ノ口で6戦全勝だった土佐緑(23=阿武松)。膝の不安を感じさせない電車道で押し出し6勝目(1敗)を挙げた。序ノ口の優勝争いを6勝1敗の3人による千秋楽優勝決定戦に持ち込ませる混戦を“演出”した。

場所を“皆勤”して「それが何より」と一息つき「4番ぐらいは勝ちたいと思ったけど、出たら勝ちたかった」と話し、さらに「全勝はしたかった。つまずくにしても、そこではなかった」と、一方的な相撲で攻めながら、行司差し違いで敗れた6番相撲を少しばかり悔やんだ。安堵(あんど)感と同時に、その1敗の重みを「6勝1敗と7戦全勝では(来場所の番付の)上がり(幅)が全然違う。出世するには時間がかかる。1番1番の重みを感じます」と、悔しさをにじませながら話した。

前頭4枚目まで番付を上げながら6場所連続休場、三段目で土俵復帰しながら再び膝を痛め5場所連続休場(全休は4場所連続)と、どん底からの“再々スタート”を切った。休場中は相撲をテレビでも「見てなかった」というが、その中でも小兵の幕内力士・炎鵬の相撲は見ていたという。「あの人すごいな、という感じで見ていた。今は逆転されているけど、早く追いつきたい」と発奮材料に変えて復帰の道を歩む。