序二段の優勝争いは、7戦全勝で並んだ2人による千秋楽の優勝決定戦に持ち込まれた。

まず全勝対決で、東56枚目の北天海(20=尾上)が同80枚目の千代虎(16=九重)を会心の相撲で押し倒して、全勝をキープした。モンゴル出身の北天海は、付け人への暴行で引退を余儀なくされた元前頭貴ノ岩の、おいにあたり埼玉栄高では新十両の琴勝峰、幕下納谷の同期生。また1人、有望株が現れた格好で「場所前に境川部屋に出稽古して三段目や幕下の人といい稽古ができた。だから今場所は勝てると思った」と振り返った。初めて番付にしこ名が載った9月の秋場所は序ノ口デビューで6勝1敗。来場所は三段目への出世が確実で「この人みたいになりたかった」と、その取り口から目標にする元大関北天佑のような、組んで良し離れて良しの力士を目指す。

もう1人は、三段目の淡路海を左差しから一気の寄りで破った東16枚目の村田(25=高砂)。西幕下筆頭と関取を目前にしながら、膝の負傷で序ノ口まで番付を落としながら、先々場所で1番ながら土俵復帰すると、先場所は序ノ口で優勝、そして今場所も全勝と、本割では15連勝。友風、若隆景と学生時代に同学年でしのぎを削った幕内力士が、ともに今場所、ケガで途中休場したこともあり「ケガをしない体を作って上に上がりたい」と話す。今年1年、高砂部屋からは9月の秋場所まで毎場所、いずれかの各段で優勝力士を輩出してきた。「記録を壊したくないから続けたいですね。でも意識すると硬くなる。今場所はもう1番、相撲があるんだ、という気持ちで挑みたい」と優勝決定戦では平常心で臨むつもりだ。