1年納めの場所の最後の一番は、白鵬の駆け引き勝ち。最初の待ったに伏線を張っていたように見えた。次の立ち合いで右を張って速攻で十分の形を作った。昨日も評論したが何でもアリの相撲は残念。見る人が見れば分かる。43回優勝に何のプラスにもならない。

もっと言いたいのは、その白鵬を倒せない大関以下のふがいなさだ。特に今年を振り返って感じるのは、大関という看板の重さ。これほど陥落者が多く、かど番も茶飯事の年は珍しい。大関の重さを理解していないのではないかとさえ思ってしまう。その大関に近かった御嶽海も振り出しに戻された。その座をつかむのが、いかに難しいか。だから朝乃山には、簡単になれる地位じゃないぞと言う。2場所連続10勝以上も新三役の11勝もほめる。だが、三役で3場所連続2ケタ勝たないと意味がない。新大関の待望論は分かるが、それでは真の強い大関にはなれない。強い大関がいてこそ場所は締まる。(高砂浦五郎=元大関朝潮・日刊スポーツ評論家)