新元号も2年に入った途端、いきなり新旧交代の大きな動きが始まった。

ここ数年、その兆しは感じられたが「始まった」とは言い切れなかった。それを感じさせる、両横綱が3日間で4個も乱発している金星配給だ。特に白鵬は2日目の遠藤戦で、先手を取れず自分の形に持ち込めずに後手に回った。これまでなら、それでも対応力で何とかしのいできた。それが現状では、ままならない。衰えをカバーするために多用してきた立ち合いのかち上げ、張り差しも、相手だって研究してくる。遠藤はそこを読んだ。この日の妙義龍戦は左の前まわし狙いの立ち合いだったが、取れずに足がそろった。遠藤戦の黒星が尾を引いていると思う。もう目いっぱいの相撲でないと簡単には勝たせてくれなくなっている。ここ2年で初優勝力士が5人。遠藤や北勝富士らが元気な今場所も、誰が優勝してもおかしくない。(高砂浦五郎=元大関朝潮・日刊スポーツ評論家)