大関経験者で西十両13枚目の照ノ富士(28=伊勢ケ浜)が、西十両10枚目の貴源治(22=千賀ノ浦)を下して、10勝に王手をかけた。

立ち合いで左上手を奪うと、まわしをひきつけながら右のはず押しで相手の上体を起こした。胸を合わせて土俵際へ寄り、盤石の体勢で寄り切った。「久しぶりにいい立ち合いができた。(膝への)負担も少ない」と納得の立ち合いだった。

大関陥落後、序二段まで番付を落としたが、10場所ぶりに十両に復帰した今場所。「毎日の積み重ねのおかげ。諦めずに毎日やってきたからいい」と調子の良さを実感している。それでも大関だった頃に比べると到底、現状に満足することはできないが「今の体でどれだけペースを上げていけるか。それが今楽しい」と徐々に復調していくのを感じることにやりがいを持っているという。

今場所は「立ち合いで押されなくなってきた。足の粘り、踏ん張りが戻りつつあるのかな」と立ち合いに手応えを感じている。2桁白星に王手をかけたが「まだ残りもあるし、来場所につなげていきたい」とさらに上を目指す。