現役関取最年長で奮闘の土俵が続く東十両11枚目の豊ノ島(36=時津風)が、8敗目(4勝)を喫し4場所連続の負け越しが決まった。

3勝8敗と既に負け越しが決まっている西7枚目の矢後(25=尾車)と対戦。互角の当たりで左が入ったが、右はおっつけられて体を起こされかけた。そこをしのぎ何とか頭をつけて前に出ようとしたところで、体を右に開かれ、はたかれた。その場面を「スロービデオを見ているようだった。足が出ないから、転がる自分を『そりゃ、そうだろうな』と。はたかれたのは分かったけど、足が出なかった」と振り返った。

「左を差して、上手を切って、出ようとしてはたかれて、転がって。4コマ漫画のような感じだったかな」。負け越しという結果は出てしまったが、何度か取り口を語る口調に、重苦しさはない。前向きに受け止めようとしているのだろう。「とりあえず自分自身は必死に一生懸命やっているからね。自分の取れる相撲を、今できることをフルに出せるように頑張りますよ」。

十両残留を確実にするには、残り3日で2勝が求められる。決して高いハードルではない。冬将軍の寒さに加え、古傷にはこたえる真冬の雨にも「それは、みんな同じだから。みんなケガを抱えているからね」と気丈に話して引き揚げた。