9度目のかど番の豪栄道(33=境川)が、ついに大関から陥落した。新関脇の朝乃山に得意の右四つを許し、胸を合わせられると、なすすべなく寄り切られた。大関在位33場所は歴代10位だったが、若手の大関候補を前に屈した。支度部屋では「力がなかったということ」と一言。残り3日間に向けての気持ちを問われると「ふー」と息を吐き無言だった。昨年秋場所から貴景勝、栃ノ心、高安と、昭和以降初となる3場所連続大関陥落の記録を更新する形となった。

幕内後半戦で審判長を務めた師匠の境川親方(元小結両国)は「来場所はご当所。勝負をかけるならそこ。そのためにも今場所は最後まで」と弟子の13日目以降の出場を望み、地元・大阪で行われる春場所での奮起に懸けた。一方で「このまま終わっていいかどうかは本人が」と弟子の意向を尊重する構えを見せつつ、「戦う力はまだある。しっかり下半身を作って稽古をすれば」と話した。

取組後に都内の部屋に戻った豪栄道は、境川親方と話し合いをしたといい「明日はやります」と13日目の出場を明言した。5年間以上守り続けた大関から陥落した今こそ、真価が問われる。