序二段の優勝争いは、7戦全勝同士による東28枚目で幕内経験のある宇良(27=木瀬)と西84枚目の旭勇幸(25=中川)による、千秋楽優勝決定戦に持ち越された。

まず6戦全勝同士で旭勇幸が、東49枚目の大辻(16=高田川)を寄り倒し7戦全勝とした。その約40分後に出た宇良が、三段目で全勝だった竜風(26=尾車)を下し、千秋楽の優勝決定戦が決まった。

旭勇幸は、勝った瞬間、拳を握りながら喜んだ。「ここまで来たら、やってやろうと。部屋を出るときから気合が入ってました。親方からは『プレッシャーを楽しめ』と言われてました。自分は肝っ玉が小さいからドキドキしていたんですが、親方から『お前なら大丈夫だから楽しめ』と言われて気持ちが和らぎました」と一気に、まくし立てた。

神奈川・向の岡工高では、十両の友風(尾車)と同学年でしのぎを削った。ただ、その高校時代から抱えていた慢性的な左足の痛みが悲鳴を上げ、昨年9月に手術。2場所連続全休明けで臨んだ今場所、最高の結果を残した。

宇良との優勝決定戦は「緊張するでしょうね」と話しながら、リベンジに燃える。「いつだったか、まだ宇良関が入門から間もなくザンバラの頃、1回やったんです。足を取られないように注意して、実際に右足を取りに来たんですけど、とられなくて。でもいっぺんに持って行かれました」と、15年秋場所3日目の2番相撲で敗れた一番を鮮明に覚えている。千秋楽、満員の観客の前でリベンジを果たした時、これ以上ない最高の復帰場所として締めくくれる。