昨年秋場所から3場所連続途中休場の横綱鶴竜(34=陸奥)が26日、復活を期す大相撲春場所(3月8日初日、エディオンアリーナ大阪)に向け大阪市内の時津風部屋への出稽古で本格始動した。

「今日はこの2人とやろうと決めていた」という関脇正代、東前頭3枚目・豊山を相手に17番で全勝。豊山に「久々に感じた。あの圧力、重くて低いからビクともしない」と言わせた力強い相撲で先場所ともに2桁白星と活躍の両者を圧倒。「いい稽古ができた。(内容は)皆さんに聞きたいね」と口も滑らかだった。

先場所は4日目までに3個の金星を配給し「左足関節炎」で途中休場した。「体は十分にケアしてきた。後は土俵内の動き」。3場所連続千秋楽まで土俵を務められなかった。横綱の責任を果たせず、進退問題が問われる場所を、番付で38年ぶりに横綱が大関を兼ねる「横綱大関」として迎える。

ただ、新型コロナウイルスの影響で、場所開催の可否は3月1日の臨時理事会で決められる。「力士はベストを尽くしていくしかない。若い衆が買い物とか外に出る機会が多いので、気をつけないといけない」と話し、自身の調整については「このままの調子で稽古を重ねていければ」と復活への手ごたえを語った。【実藤健一】