三段目100枚目格付け出しで初土俵を踏んだ深井(22=高砂)が、満点の白星デビューを飾った。

東序二段筆頭の出羽東(28=出羽海)と対戦。立ち合いでぶちかまし、相手をのけぞらせると、右から突いて出て一気に押し倒した。

前夜は緊張でなかなか寝付けず、夜更けの3時、4時半、5時に目が覚めてしまい「あとは寝てるのか寝ていないのか分からなかった」という。それでも東洋大4年時の昨年11月の学生選手権で個人ベスト8に入り、付け出し資格を得た有望株は「所作の方が緊張しました。相撲に関しては、いい緊張感の中で体が動いた。場所前に稽古しているので体の方は万全かなと思います。これを続けてケガをせず、まずは勝ち越しを目指したい」と余裕の表情で話した。

初土俵を史上初の無観客開催で迎えたことには「ある意味、珍しい。どちらにせよ勝てればいいかなと思います」。師匠の高砂親方(元大関朝潮)からは「思い切って自分の思い通りに取ればいい」とアドバイスされたという。

石川県出身の深井にとって、同部屋で富山県出身の関脇朝乃山は、北陸つながりの良き兄弟子。部屋のちゃんこで話をする機会もあるという。「今場所は(朝乃山が)大関とりがかかる。自分も一緒に勢いに乗って、まずは勝ち越して(朝乃山に)少しでも勢いをつけられれば」と“相乗効果”に期待した。