大関とりの関脇朝乃山(26=高砂)が、横綱白鵬に押し出しで負けて3敗目を喫した。

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朝乃山にとって課題を突きつけられた結びの一番になった。

相撲の流れは悪くないと思うが、当たれてない。だから白鵬に出足を生かされた。上位相手に出足を止めるようにならないことには、上は目指せない。もっと言えば、上位に胸で当たるような立ち合いは通じない。下位相手には簡単にまわしを取らせてもらえても横綱、大関はそうはいかない。それだけ警戒されている証しとも言えるが、上位相手に自分の右四つの形になるには、立ち合いで押し相撲の力士のように、頭で行くぐらいの当たりが必要だ。そこが朝乃山の研究課題だろう。あの体、四つ相撲を生かすには常に前傾姿勢が求められる。それを起こされては、せっかくの体が生きない。そこは伸びしろとプラスに考えて今後の糧にすればいい。課題は課題として、残り2日も攻めの姿勢を忘れないで思い切り取ることだ。

(高砂浦五郎=元大関朝潮・日刊スポーツ評論家)